現代語訳
雨あられのような矢弾の中は厭わない。けれど駒ヶ嶺の雪には進みかねる。
詩の説明
武勇ではなく、自然の厳しさが軍勢を止める詩。人の覚悟を超える雪の存在が美しい。武田耕雲斎の人物像と重ねると、この句には、冷えた自然の中で覚悟や敗北が沈んでいく場面がある。天狗党の首領格。越前敦賀で降伏後、斬首されたという背景を背負い、読後には覚悟、孤独、そして敗者の側に残る美しさが残る。
背景
天狗党の北国行軍の苦難と結びつく歌。戦いの凄惨さを直接語らず、雪そのものが敗北の重さを帯びている。矢玉を恐れない武士の覚悟が、自然の冷たさの前で止められるところに、この歌の静かな残酷さがある。天狗党の首領格。越前敦賀で降伏後、斬首された。伝承に揺れがある場合も、残された言葉は時代の痛みを静かに伝えている。