人物
水戸藩士。天狗党に加わり、敦賀で処刑された人物として伝わる。 山国兵部の辞世には、悲壮さだけではなく、死の先まで勝負に行くような荒い気骨がある。冥土の鬼を相手に一勝負、という言い方は、敗れてもなお自分の姿勢を崩さない水戸天狗党の苛烈さをよく残している。
現代語訳
これから向かう先では、冥土の鬼を相手にひと勝負してやろう。
詩の説明
死を恐れぬ勇ましさというより、敗北の場に残された荒い笑いがある。処刑を前にしても、自分はまだ勝負する側にいるという言い方が、天狗党の苛烈な気質をよく表している。冥土の鬼という大きな言葉が、現実の敗走と処刑を不思議に軽く、そして悲しく見せる。
背景
山国兵部は水戸天狗党に加わった人物として伝わり、敦賀で処刑された者たちの中に数えられる。この句は、壮大な理想よりも、死に際の気骨を一息で残す。天狗党の終幕を、重い悲劇だけでなく、なお折れない荒々しさとして見ることができる。