人物
水戸天狗党の別働隊を率いた過激派。敗走の末、捕らえられ処刑された。 田中愿蔵は水戸天狗党の中でも荒さを帯びる人物で、理想と暴発の境目にいる。彼の辞世には、自分の骨が山路に朽ちても、なお九重を守るという極端な忠義がある。美しさだけではなく、危うさも含めて幕末の熱を映す。
現代語訳
みちのくの山道にこの骨が朽ちようとも、それでもなお御所を守ろう。
詩の説明
田中愿蔵の辞世には、忠義の強さと危うさが同時にある。骨が山路に朽ちるという敗走の像と、なお九重を守るという大きな言葉がぶつかる。天狗党の理想が、現実には荒さや暴発を含んでいたことまで見せてくれる一首である。
背景
田中愿蔵は水戸天狗党の別働隊を率い、各地で過激な行動をとった人物として知られる。敗走の末に捕らえられ、処刑された。この歌の強さは、その人物像の危うさを消すのではなく、むしろ幕末の熱がどれほど人を極端へ押し出したかを示している。